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4編を収めた、作品集です。

表題作、幻の光は
兵庫県の尼崎で前夫を亡くし、
奥能登の曽々木へ後家として嫁いだ女の
物語です。

やわらかな、女の独白の形で綴られていきます。

前夫は、子供がわずか3ヶ月のときに
自ら命を絶ってしまいます。
真夜中に線路の上を歩き、電車にひかれて。

その理由を、
曽々木で優しい夫と平和な暮らしを営みながら
女はずっと問いかけつづけるのです。
鉛色の海と、灰色の空を眺めながら。

荒々しい自然や、忙しい日常や
育っていく子供たち。
日々が続いていくこと、それが
女を少しずつあちら側(前夫のいる世界)ではなく
こちら側(現実)へ引き戻していきます。

人間はかくも強い。

誰にでも、
幻の光に魅入られる瞬間があるかもしれません。
ひとをあちら側に引き込む光。

それは怖いことだけれど、
うっとりするくらい、美しいのだろうなと
思うのです。



幻の光 (新潮文庫)幻の光 (新潮文庫)
(1983/07)
宮本 輝

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かの有名な、宮本輝のエッセイ集です。

生い立ちから執筆中のこと、
今思うこと、など内容はさまざまです。

一編一編がぎゅっと凝縮されていて
読み応えがあります。

なかでも秀逸なのが、表題のもの。
命の器、どきっとするタイトルです。
一部引用して紹介します。

ひととの出会いとは決して偶然ではなく、
たとえ抗っても、
自分という核を成すものを共有している人間としか
結びついていかない。
とあります。

たとえばある時期、時間をともにしたひとと
疎遠になっていったとしても
それは自然なことなのですね。
人は絶えず変わっていき、
そのときのエネルギーに見合うひとと
また出会っていく。

折りに触れて、この一編を読み返します。
今、自分はどこに立っているのだろう
と俯瞰してみると
大きな流れを感じることがあります。

潮音風声という章の
天分、という一編も、すばらしいです。



新装版 命の器 (講談社文庫)新装版 命の器 (講談社文庫)
(2005/10/14)
宮本 輝

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