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仕事を無くした男と女がゆらゆらと
都心を彷徨っています。

男は失業してから定職につくことなく
その日暮らし。
女は男に不満こそあれ、離れがたく。

歌舞伎町のホテル、千葉にある女の実家、
中野の知人の家を二人は転々とします。
まるで浮き草のように。

時間つぶしに昼間の町をぶらぶらしながら
透明人間になりたいなあ、と夢見るように
呟く男。
透明人間になったら、食べてるたい焼き
だけ宙に浮いてみえるのかな、どう思う?
女は絶句しながらも男を憎めないのです。

無線飲食を覚悟で入った寿司屋で
たらふく寿司を食べた二人は、
こっそり時間差で店を出ることにします。

女が待つ場所に戻ってきた男は、
興奮気味に、仕事と住む場所を得たよ、
といいます。
女は訝しみながらもついて行くのですが…

男の天真爛漫なダメっぷりが
いっそ魅力的にまで思えてきます。

世の中は需要と供給のバランスがとれて
いればいいのだから、
男女間も組み合わせとして成立すれば
オッケー。

もし、まっとうな良いひとばかりで
構成されていたら、退屈かもしれません。

そして自由って。

何かを手にしているのが自由なのか。
逆に、何も持たないのが自由なのか。
どう捉えるかは自分次第です。

実は最後に、
この浮草男は本当に夢を叶えるのです。
なんとも意外なやり方で。

それは、ここで書くのはもったいないので
あなたの目でお確かめくださいね。



群像 2013年 02月号 [雑誌]群像 2013年 02月号 [雑誌]
(2013/01/07)
不明

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源氏物語、第12帖。
都から離れ、須磨で暮らす源氏の
侘しく心細い日々が描かれます。

源氏は、実の兄である朱雀帝の側室、
朧月夜との秘めやかな恋が見つかり
官位を剥奪されてしまいます。

近しい人々と別れ、須磨に着いた源氏は
質素ながら風流な住まいを構えます。

月を見上げては涙に暮れ
我が子や妻、女たちを想いなから
いくつも歌を詠み、琴を鳴らします。

懐かしい友との再会、ふいに訪れる嵐。
隠遁の日々は静かに続いてゆくのです。

島田雅彦がよどみなく綴る文章は
透き通った水が
ひたひたとしみてくるようです。

そばに女をひとりも置かず
ひたすら悲しみに耐える源氏からは
ただならぬ色香が漂ってきて、
自業自得でしょう、という私の声は
そっと胸にしまわれる。

もし私が
夕暮れ時に海の見える廊下で佇む
源氏の姿を垣間見てしまったら、
この世のものとは思えない美しさに
あっさり捕らえられてしまうでしょう。

ええ、はじめから、
勝ち目などないのですけど。



ナイン・ストーリーズ・オブ・ゲンジナイン・ストーリーズ・オブ・ゲンジ
(2008/10/31)
江國 香織、松浦 理英子 他

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