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その花は、蓮に少し似ている。

真っ赤な花びらは、硬質で幾分透き通り
大ぶりで艶やか。でも、静謐な。

シャニダール。
それはごく一部の女のひとの、胸の上に
咲く花なのです。

シャニダール研究所では、
植物学者やセラピストが、特別な施設で
提供者の女性たちの心身をケアしながら、
その花を蕾から育てて満開で採取します。
採取された花は、画期的な新薬の開発に
使われます。

花には独特な抗えない魅力があり
人々は花をめぐって次第に陶酔と狂気に
とらわれていく…

昨日観た映画です。

こんなに美しくひっそりした寄生を
みたのは初めてかもしれません。
そしてこういう物語は本より映像がいい。

寄生する生物は、いずれ宿主をのっとる
けれど、宿主がそれを望んでいるのなら
満ちた関係なんだな、と考えていました。

いっとき蜜のように抱き合ってから
相手に意識を引き渡していく。

それはとても親密な
自分の身の内だけで起こるできごとで
誰の声も届かないのです。

たとえ恋人が泣きながら戻ってきてと
呼んでも。



 
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メタモルフォーゼ、という言葉の意味を
知ったのは、先週Eテレで哲子の部屋を
みたときです。

変態、変容、転生。
人はどんどんバージョンアップしていく。
番組の中でそんな話になりました。

人は環境や経験とともに変わっていくな
というのは私も実感としてあって
例えば10年ぶり、20年ぶり、30年ぶり…
に再会したら、当時の記憶とは全然
別人になっていてもおかしくない。

自分さえも一定ではいられないのだから。

アイデンティティの悩みというのは
産業革命後に生まれた、という説も
面白かったんです。

昔は八百屋の息子は八百屋、と決まって
いたけれど、ひとたび職業を自由に選択
できるようになったら
自分は何者なのか、と
人は考えるようになってしまった。

何かから解かれると、何かに縛られる。

人は軸を求めるんですね、
番組の中で哲学者が呟いた言葉が
ひっかかっています。

軸と変化は相容れないのに
不思議だな、と。



 
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ジョシカイに参加した夜は
スコールみたいな大雨が降っていて
ネイビーのワンピースも赤いヒールの靴も
べちゃべちゃに濡れた。でも楽しい。

友達の大きな傘に入れてもらって、
でも足先では水たまりをばしゃばしゃ
蹴って。

夏の雨は好き。
これ以上ないくらいの開放感。

夏の雨に降られた夜は、
何も思い出さなくていい。

明日の仕事のことも
これからの展望のことも
そろそろ動き出さなきゃいけないことも。

今夜はまだ、保留ボタンを押したままで
よしとする。



 

 

 

 

 
スペインとモロッコの間にある海の色を
した、正方形の紙で舟を折った。

折り紙は、折り目をきちんとつけるのが
大事、ということを久しぶりに思い出す。

舟はイメージの中のほうがいい。
実際に乗るのは潮がべたつくし酔うし
苦手だから。

夏の匂いがするミニトマトを半分に切って
そのまま口に運んでみる。甘い。
誰がトマトを野菜だって決めたんだろう。
果物と野菜の境界線上を思う。

豆花、という中国のスイーツを真似して、
絹ごし豆腐に黒蜜をかけて食べてみる。
豆腐は素晴らしい。
塩味にも甘味にも両方にしっくり馴染む。
こういう女はちょっとこわいな、と
想像する。

昨日観た映画で、
女が橋の上からサンダルを片方落とした。
川面をゆっくり流れていく白のサンダルは
何かの終わりみたいに見えた。

今、切り干し大根を煮ていて暇なんです。



 

 

 

 

 
人里離れた静かな渓谷で、幼児殺害事件が
起こります。

容疑者として浮かんだのは実の母親、
立花。マスコミや世間の目が彼女の住む
市営住宅に注がれます。

事件に関与しているとされる、立花の隣家
に住む尾崎。週刊誌記者の渡辺が身辺を
探ると、実は尾崎とその妻、かなこの間に
ある忌まわしい過去があることがわかり…

複雑な立場のふたりが一緒にいることは
粉々になったガラスの破片を一枚ずつ
拾いあつめるような作業で
読み手のこちらまで様々な気持ちが
わき起こってきます。

前提からするとありえない流れだけれど
集めたガラスを遠くから眺めると、
愛に似たものに思えてくる。

通常愛と呼ばれるものとは成分が全然
違うけれど。

幸せになろうって思って一緒にいる
わけじゃないから。
一緒に不幸になろうって約束したから。

妻と夫が別のところで呟く言葉。

成分なんて問題ではないのかもしれない。
生きるという光が幸せになる、だけじゃ
なくてもいい。

二人のために何かを祈りたいけれど
拒絶されるかもしれない、と思うのです。
あなたになにがわかるの、って。



さよなら渓谷 (新潮文庫)さよなら渓谷 (新潮文庫)
(2010/11)
吉田 修一

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新潮9月号に小川洋子と岸本佐知子の対談
が掲載されています。
胸が躍るとはこのこと。

話題は小川洋子の動物をモチーフにした
連作小説集「いつも彼らはどこかに」から
岸本佐知子の翻訳作品「変愛小説集」
まで。

言葉を持たない動物のことについて、
小川さんはいいます。
野生動物は、自分の存在を周りに示したら
それは死を意味する。
ひっそりと生きるということが、
彼らの基本姿勢だと。

その在り方は人間とあまりにかけ離れて
いて、同じ生き物なのかと疑うほどです。

進化の過程で人間は言葉を使うことを
選んだけれど、逆にそこに縛られて
しまったように思うことがあります。
賑やかで時に空疎なコミニュケーション。

言葉のない世界のことを想像してみる。
そこには、嘘はないかもしれない。

わけのわからないトレンドニュースも
うすっぺらい板みたいな社交辞令も、
温度のないメールの返事も。

でも、お疲れさまも、ありがとうも
今日なにごはん食べる?もない。
おやすみも。

いっそ言葉なんてなければいいのに、と
憧れてはいるのだけど
心のこもった言葉は何にも代え難い
素敵なものです。

来世、猫になったら
どっちがいいかわかるかな。



新潮 2013年 09月号 [雑誌]新潮 2013年 09月号 [雑誌]
(2013/08/07)
不明

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知らない街を歩くのが好きなのは
少しの緊張とアウェー感、未知を既知に
塗り替えていくあの感じ。

それから、
役割がない自分でいられる自由と。

役割や場所が作る人格というものがあって
それは母国語以外の言葉で話すと別の人格
が出てくるのと似ているんじゃないかな
という気がする。
気づいたら型みたいなものができている。

ある特定の型を長く続けていると
だんだんその自分に飽きてくる。
朝昼晩、同じひとと顔をつきあわせて
同じ話をリピートしているような停滞感。

知らない街ではどんな自分になっても
いいし、もちろんどんな自分にもならなく
たっていい。

小学生の頃に読んでいた漫画の中で
男の子が主人公の女の子に、
君の目に映る自分が一番好きだよ、と
いうシーン(あれはきっと告白だった)
があったのをふと思い出す。

今なら化学変化のことをいってるんだな、
とわかる。ひととひととは響き合う
ものだから。

商店街の角を曲がったところにある
カフェに入り、濃いぶどうジュースを
飲みながら、そういえばずっと私は
会いたい自分に会えていなかったな、
と思い出す。

斜め向かいの席で、銀色のMacをテーブル
に広げ、一心不乱に何かを打ち込んでいる
男の人がいる。たまに電話もしている。
彼はいま好きな自分でいるのかな。

目深にかぶった帽子で表情は見えない。
見えたところでわからないけど。

もうすぐ夕闇が降りてくる。



 

 

 

 

 
ピアスやタトゥーには重量がある。

この物語の主人公、ルイは痛みや体に絵を
刻むことで自分にここに在るということを
確認できるようだったから。

顔にいっぱいピアスをつけた真っ赤な
モヒカンの暴力的なアマ、ピアスは
もちろん全身タトゥーでサディストの
彫師シバ、アル中で生に執着がなく
アマとシバの間をふらふら彷徨うルイ。

スプリットタン(舌の先にピアスを開けて
だんだん二股にしていく)の施術描写や
背中に彫られていく美しい麒麟と龍。
アマとルイの生活、ルイとシバの秘密。

退廃のための刺激なのか、その逆なのか。
時に目を覆うような描写が続きますが
それでも、もうおなかいっぱいです〜
とならないのがこの物語の魅力。

さみしい、満たされたい、繋ぎとめられ
たい、愛してるのに、虚しい、在りたい、
消えたい…
そういう想いが空気中に蔓延していて、
表現や行動は行きすぎているけれど
純度の高い恋愛小説という印象です。

まだこの先に何かがあると思ってるんだな
このひとたちは。
希望のようなものが。
本当の意味でノーフューチャーなら、
逆に心はすっと澄んでいくと思うから。

シバが好きだったのはアマなんだろうな…



蛇にピアス (集英社文庫)蛇にピアス (集英社文庫)
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金原 ひとみ

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トップモデル、りりこは
日本中の女の子たちの憧れの的。
小さな顔、美しい顔立ち、抜群のスタイル
匂いたつような色気。
街中のポスター、電飾掲示板、雑誌の
表紙、テレビのCMにりりこが溢れる。

でも彼女には秘密がある。
目玉と耳と髪と爪以外は全部つくりもの。
闇医者の特殊な技術で全身整形を行い
世にも美しく生まれ変わったのです。

物語は人気絶頂から次第に転落していく
時間が描かれています。

定期的にメンテナンスが必要な体、
全身整形の綻びが痣となって浮き上がる
恐怖、術後の副作用による痛み、大量に
飲む薬、年老いて自分のポジションが
奪われる不安、自分の気持ちは誰にも
わからないという孤独。

りりこは荒れ果ててひりひりした心を
抱えながら、心の中てバカにしている
大企業の御曹司とつきあったり
マネージャーの羽田やその彼氏にひどい
仕打ちを続けるのです。

そしていよいよ、りりこの精神は
破綻をきたしはじめる…

堕ちていく、という下降線をりりこと
一緒に体感しているようです。
誰かの退廃は読み手の脳にじわりと
効いてくる。
頭の中ぜんぶが闇の色に染まって
どこからか金色の蜜が溶け出してくる。
それは快なのです。ぞっとすることに。

中盤、りりこの妹がりりこに会いにくるの
ですが、妹の姉に憧れる無垢さが眩くて
シーン全体が真っ白に感じるほどです。
闇と光のコントラスト。



ヘルタースケルター (Feelコミックス)ヘルタースケルター (Feelコミックス)
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岡崎 京子

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ハヤシさんはなんでも持っている。
私のイメージです。

才能も華やかさも富も名誉も女性としての
成熟した魅力も夫も子供も。

当たり前だけれど、ぼんやり暮らしていて
そのすべてが手に入るわけがありません。

ハヤシさんには巨大な野心がある。
だからこそ、大変な説得力があります。

人には生まれ持った自己顕示欲の量が
ある、とハヤシさんはいいます。
MAXを100として、手持ちが20のひとは
専業主婦に向いている。こじんまりとした
世界で夫や子供からの感謝や賞賛で十分。
例えば70のひとが専業主婦になった場合が
大変で、欲求不満を爆発させてしまう
ことになる。
(ちなみにハヤシさんは130だそうです)

自分を満たす器のサイズを正確にとらえ、
身を置く場を読み間違えないのが大切。

わーかーるー!!
ヘッドバンキングしそうなほど私は
頷きました。

そういえば子供の頃から野心あったなー
と思いつつ自分の数値を計測してみると、
メーターは85でピタリと止まりました。
なんか納得。

たまに目的を見失ったとき、
ふっと失速して無気力の海をさまよう
状態が続くことがあるのですが
それは85の自分を持て余しているんだな…
と、妙に納得してみたり。

人に何かをしてもらうのでは、
本当の意味で器は満たされない。
自分で動いて得るものでなければ。

これは仕組みなんだ、と思ったんです。
気づいたひとは早々にスタートダッシュを
切っている。
トラックの向こうの背中を追うために、
急いでゼッケンをつけなおす。



野心のすすめ (講談社現代新書)野心のすすめ (講談社現代新書)
(2013/04/18)
林 真理子

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好きなひとができたのでそのひとと
暮らします。

君はアーティストだから好きにすればいい
でも会えなくなるのはさみしいな。

写真家、神蔵美子、評論家、坪内祐三
そして編集者、末井昭の三角関係。
写真と彼女の文章で綴られる何年もの
時間が一冊に綴じられています。

彼女は坪内さんと離婚してからも、一緒に
テニスをしたり、うちでごはんを食べたり
果ては新しい夫である末井さんとの問題を
相談したりします。

微妙な三角関係は、奇跡的なバランスで
友好な状態を保ちます。
しばらくのうちは。

時間が経ち、坪内さんに新しい恋人が
できて、彼女は自分のわがままを初めて
外側から見つめます。
特殊な関係の中で生気を失くしていく
末井さんと一緒に彼女は落ち込んでいき
ようやく坪内さんと距離を取ることを
決めるのです。

登場人物全員が非常に個性的であるゆえに
このドラマのような物語はフィクション
として成り立ったと想像しますが、
神蔵さんがピュアで自分に嘘がつけず、
天真爛漫でかわいいというところが
大きい気がします。

もう別の男の妻なのに、前夫との思い出が
過去になっていく…と泣きじゃくるの
ですから。
そして、その体験を表現にまでもっていく
アーティストとしての強靱な意志、
凄まじいエネルギー。

お行儀よく本屋に鎮座した恋愛小説たちが
この一冊が持つ突風に、ちりぢりに
吹き飛ばされてしまいそうです。

さて、末井さんです。
茫洋としていて、自分自身や女やお金との
距離感が変で、それは自分を守るという
概念がすっぽりと欠落しているから…
と神蔵さんがぽつぽつ語るのを読みながら
うわわ、と思いました。

それはもう、みたことのないオーラを
放っているのではないかと。
出会ったら最後、のような。



たまものたまもの
(2002/04)
神蔵 美子

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たまに現代アートがみたくなります。

よくわからないけどなんかいい、好き、
というもの。
クラシックな絵画よりも、翻訳不能な
オブジェとか映像作品が好きです。

今日観たのは、
片方の靴をベースに手作りした、小さな
ヨットのレプリカを持った子供達が、
晴れた真夏のジブラルタル海峡で
スペインサイドとモロッコサイドから
それぞれ一列になって海の中を進む
というもの。
14キロ先の対岸を目指して。

もちろん歩いて渡りきれるほど海は
浅くないから、想像上の出会いです。
でも、夢がありませんか?

映像はスペインとモロッコ、両方の
バージョンがあったのですが、
モロッコサイドが特によかったです。
ざくざくと翠色の海を進む子供達の表情が
きらきらしてて、本当に楽しそう。

この壮大なアート作品を作ったのは
フランシス・アリスというメキシコ在住の
アーティストです。
政治的提言もこめた作品が多く、
民族間のこと、国境線などにこだわりが
あるようです。

日本は島国なので、具体的に線を引く
必要がない。その環境は、国民性にも
大きく反映している気がします。

彼の作品は厳しい。
日本人にはない感覚、背負っているものの
大きさ。さあどうする、と目の前に
提示されているようで。

キャッチはしたけれど、それはまだ
門の前に立っただけなことはわかってる。



 

 

 

 

 
今日は月誕生日なので、久しぶりに
日本酒を飲みにきています。

夏っぽいのを、とオーダーすると、
きんと冷えた万齢が出てきました。
美味しい。

カウンターで日本酒の銘柄を眺めるのは
楽しみのひとつです。

夏田冬蔵
フルーティだけど、きりりと辛口かしら。

こなき純米、ねずみ男吟醸
予想通り、鳥取のお酒でした。
ヌリカベという名の焼酎もあるとか。


夜が深紫色に更けた頃、飲みたい。

Houkai
もう今夜は自分を宙に離してしまおう…

いま流れてる曲だれ?
と、グラスを拭くマスターに尋ねると
エミ・マイヤー、と返ってきました。

辛くかすれた声は、
あるラインをぎりぎりで越えない。
(越えると常套句のようになってしまう)

文章には音楽みたいに人をトランスへ
運ぶ力はないのかな、とぼんやり
考えていました。

思い出す限りでは、村上龍の半島を出よ
で似た体験をしました。
好き嫌いの選択肢すら与えられず、
自分が砂粒よりも小さくなり、物語の
ブラックホールに呑まれていく感覚。

あっ、だいすきな〆鯖サンドがきた。



 

 

 

 

 
新潮社が女性誌を出した、というのをみて
長年の新潮ファンとしては必須、という
ことで読んでみました。

ターゲットは肉食文系女子28歳、らしい
です。初めて聞いた言葉。

恋より楽しいことがある、という特集で、
創刊号だけあり、巻頭は蒼井優とハワイと
サーフィン。パラパラめくっていくと
本谷有希子と清川あさみのおしゃべり、
江國香織と井上荒野の映画対談から
能町みね子のミニコラムまで
あらゆるジャンルの女子に嬉しいメニュー
が盛りだくさんです。

中でも、じっとページをみてしまったのが
ホンマタカシが新垣結衣の写真を撮り、
千葉雅也がテクストをつけたもの。

最近、哲学者としての千葉雅也を知った
ばかりなのですが、美しい顔の造作に
長めの髪、シャンパンタワーが似合いそう
な風貌の彼がどんな文章を書くのか
気になって読んでみました。

夢を見る日と見ない日がある、とはじまる
その文章は、透明なガラスに映った日常を
銀色のナイフで丁寧に切り取ったよう。
硬質で、温度がない。

明け方のシャワー、昼間食べた冷汁定食、
テリーヌに寄せられた人参の赤。エアコン
の音、道端の猫。

少しずつ、早送りしたり巻き戻したりして
日常は行きつ戻りつする。

作家の文章ほど流暢じゃなくて、でも
質感がはっきりとあって。
好きだな、と思いました。久しぶりに。



ROLa (ローラ) 2013年 09月号 [雑誌]ROLa (ローラ) 2013年 09月号 [雑誌]
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ヨガのレッスン帰りに寄った丸善で、
GINZAの最新号を立ち読みしていたら
がくっと腕の力が抜けて
開いていた頁に唇がかすってしまい。

そのまま購入して、ランチに入ったお店で
ゆっくりとめくって眺めていました。
ハイセンスな雰囲気、写真もきれい。
た、の、し、い…

GINZAを毎月楽しみにしているのは、
岡村靖幸、結婚への道 という連載が
すごく面白いからです。

確か先月のゲストは川上未映子でした。
今回はタレントのYOUです。

岡村ちゃん(ファンなのでこの呼び名で)
は結婚がしたいのですが、平和な幸せを
手にいれると自分の才能が失速して
ついには消えてしまいそうで怖い、
というジレンマを抱えています。

多分結婚に対して、感覚としては
外部接続なのでしょうね。

それで、さまざまなゲストに、結婚って
どういうものですか、と質問するのですが
本当に様々な答えを返ってきます。

糸井重里は、結婚って腕とか脚とか
そういうものと一緒であたりまえに
あるものだよ、と言っていました。
おおっ、スタンダードな内蔵仕様。

以前、結婚ってそのひととずっと一緒に
いたいからするものじゃないの?と
言われて、ぽかんとしたことがあります。

今は好きだけどずっと好きでいるかどうか
なんてわからないし。ひとって変わるよ。

これも一種の外部接続的感覚なの
でしょうか。(それ以前の問題か)



GINZA (ギンザ) 2013年 09月号 [雑誌]GINZA (ギンザ) 2013年 09月号 [雑誌]
(2013/08/10)
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花火の夜、タクシーで河川敷まで向かった
のだけど、途中で道路が通行止めに
なっていたから仕方なく降りて、そこから
地下鉄一駅分を迂回して歩いた。

すでに花火は始まっていて、近くで
音だけがずっと聴こえていた。
たまにビルの隙間から欠けた赤や紫が
見えた。

混雑した道をやっと抜けて、河川敷に
降りたときには花火はクライマックスを
迎えていた。私たちは桟敷席へと急いだ。

座り込んで花火を観ているひとがみな
一斉に携帯で夜空を撮影していて、
青い画面の光が無数に闇に浮かび上がった。
蛍みたい、と友人は言った。

私はずっと花火を見上げていてつい歩みが
遅くなる。火花が漆黒を彩る一瞬を
見逃さないように。

桟敷席に着いたと同時に、パン、パンと
終了の空打ちの音が夜空に響いた。

花火は終わってしまった。
友人はがっくりとうなだれた。

私は終わってしまった感じがかえって
よくて、深呼吸してそれを味った。
かすかに空に残る煙と、静寂と。

霧みたいな雨が降り出していた。



 

 

 

 

 
公園を通り過ぎようとしたら
まもなく夜の9時になるところで
立ち止まって塔のライトアップをみた。

噴水が水面からの光を浴びて
真夏の闇の中、垂直に立ち上がった。

この夏の想い出をまだつくっていない…
ステレオタイプな思いつき。
Gと浮かびあがる赤い光を目で追った。

塔は最後にキラキラとゴージャスな光に
包まれてふっと消えた。

なぞるように噴水も水の中のライトも
いつの間にか収束していた。
水は静かにたゆたっていた。
新月、と思った。理由はないけれど。

噴水は終わってしまった。
私も終わらせたいんだけど、でも何を?

今日は考えるのやめよう。
金曜日の夜だしね。
まだ時間はたっぷりある。



 

 

 

 

 
近代の小説を読んでいて思うのですが
恋愛で狂うことは大変美しいことだった
のだろうなと。
当時はストーカーなんて言葉もなかったし
多少無茶しても許されるもので
時代の最先端、みたいな位置づけだった
のかもしれない。

折に触れて思い出すのは、泉鏡花の
外科室です。

確か学生のときゼミで取り上げられて
何度も読んだ記憶があります。

胸の手術をすることになった人妻が、
どうしても麻酔を拒否する。
なぜなら、麻酔をしたら意識を失って
心にずっと秘めていた好きなひとの名前を
口走ってしまうかもしれないから…

どうしても好きなひとの名前を言えない、
という抑圧された感じがたまらなく
艶かしいではないですか。

現代は自由だから、それほど、煮詰まら
ないでいい。
ほかに娯楽もたくさんある。

でも胸の中に一輪、薔薇の花が咲いて
しまうほど思いつめてみるのもいいかも。
…で、そのひとに手折ってもらうのね。
(妄想は続く…)





 

 

 

 

 
私の気持ちはシングルカットできないし、
とクリープハイプは歌っていて、
そのフレーズにあまりにも共感して
何度も繰り返し聴いてしまいました。

シングルカットできるような華のある
日常も普通に暮らしていたらまずないし。

仕事帰りにTSUTAYA寄ってクリープ
ハイプ試聴してやっぱり借りるのやめて
いつものスタバ行って壇蜜と呼吸法の本
読んでヨガ行ってぶらぶら帰ってきて
ニラと豚肉お醤油で炒めてお豆腐切って
ガイアの夜明け観てクッションに倒れこむ
…お風呂入らなくちゃ。

壇蜜の恋愛指南書、エロスのお作法。
さすがグラビアをプロでやっているだけ
あり、世の中の男性の視点を鋭く分析
していました。

もう一冊、医者が教える正しい呼吸法。
この本ではセロトニンを出す訓練を
すすめていて、なかなか興味深く。

WBSが始まってしまった。お風呂…

日常に起こる感情は想定範囲内の起伏
だけれど、それが平和ってものなのかも
しれない。



 

 

 

 

 
さっきまで村上龍ドーピングをしていた
ので、だいぶ気分がシャキッとして
きました。

この表現、Twitterで桜庭一樹が使っていて
一度真似してみたかったんです。

村上龍のエッセイはまさにドーピングと
いうのがぴったりで、なんだかたるんで
弱気になったり周りに流されがちに
なっているときに本当に効くんです。

お前はバカか、ちゃんと目を開けて見ろ。
自分の頭で考えろ。
そうやって何度も何度も言われ続けると
(実際こんな風には書いていません、
受け手の印象)
ぴーんと背筋が伸びてくるんですよね。

ありがとう龍さん、と感謝すると
そうじゃないんだよわかってないな、
といわれそうですが。

誰かに影響を与えようという気がなくて、
他人に全く興味がないところがまたいい。

「逃げる中高年、欲望のない若者たち」
というエッセイ集を読んでいたのですが
海外より日本は群れる傾向が強い、と
書かれている章が興味深かったです。

なぜ、という違和感からの視点なのですが
日本人は歴史上、群れることで何らかの
メリットがあったのだろう…と
推測しています。
時代を遡って紐解いていったら
何か出てくるかも。面白そうですよね。

かくいう私も群れるという才能が欠落して
いますが(したくてもできない)
まーいーか、日本ではちょっと
生きにくいけど。

私は私だ。←ドーピング最高潮。



 

 

 

 

 
昨日はあちこちからクリープハイプという
単語がきこえてくる夜で、
もし聴き時というのがあるならそういう
タイミングだな、と思い、まとめて
YouTubeで聴いてみました。

高くて表情が読みとれない声。
確かに響くのだけれど、これは私の体の
どこに響いているんだろう?
という、ざわりとした感覚に陥りました。

そこは途中の場所なんだけれど
どこかにまっすぐ向かってはいなくて
あてもなく蛇行して、草むらに分け入って
ふと潮の香りがして、でも向こうに
海は見えなくて、ひとり立ち止まって
白っぽい空を見上げるような。

乾いた澱みたいにそこにあって、
全然完結していなくて
そもそも完結って何?そんなものあるの。

背を向けたまま、少しだけ振り返る。
前髪の隙間から世界をちらりと見る。

ロックなのに爬虫類っぽい質感というのが
魅力だな、と思いました。
そこにはわかり合うという前提がない。

楽曲と詩の間にある距離がそう思わせるの
かもしれません。

おやすみ泣き声、さよなら歌姫のPVで、
大東駿介のから回った感じが
妙に哀しくて何度も観てしまいました。



 

 

 

 

 
最近、ちょっと行き詰まっているのですが
ぱーっと遊んで発散というのも
どうも違う気がして。

エネルギーがないのでがっちり本は読めず
Twitterをぼーっと眺めています。

しばらく、文筆系のひとばかりフォロー
していたのですが
最近、哲学者、美術家、映像作家、
漫画家などちょっと幅を広げたら
見たことのない単語が出てきたりして
おもしろいんです。

タイムラインは大きな川に似ている。

誰かのおしゃべりが流れてくる。
どこかで、何かを思った瞬間の。
ストーリーじゃなくて断片っていうのが
いい。

botは最近好きになって、
いくつかフォローしていますが
穂村弘と吉本隆明がお気に入り。
それと意外なところで村上龍の小説、
テニスボーイの憂鬱botも楽しい。

ああ、なかでも一番好きな欠片は、
雨が降ってきた、とか
月がきれい、とかそういう呟き。
思わず空を見上げてしまうんですよね。

全然知らない人が、全然知らない場所で
同じように空を見上げている。

コマ送りの映像で、今空を見上げている
ひとたちが次々と映し出される。

今ぱっと浮かんだイメージですが
なんか素敵じゃないですか。



 
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