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今日で上期がおわりだね、という言葉は
わりと局地的なものなのでしょうか。
半期決算のサイクルて働いていると
九月、三月にひとつの山を迎えます。

今日、モンブラン級の山に登頂成功し、
ゆっくり下山しているところです。

もう、あのプロシェクトの夢をみて
夜中にがばっと起きることもないんだなぁ
身体の中に大きな空白ができたよう。
すぐ埋まっちゃうんですけどね。

そういうわけで全然本が読めていません。
頭の中の想像野(いま作った言葉)が
ずっと隅っこに追いやられていたみたい。

高山なおみさんの日々を綴ったエッセイ
なら読めるかもしれない。
白々と夜が明けていくようなイメージ。

確かそう、旦那さんのスイセイさん、
発明家なんですよね。

写真は昨日の森。
木々が秋色になりつつあります。



 
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久しぶりに仕事以外は寝るだけ、という
一週間を過ごして、ようやく週末です。

朝目覚めると、床で毛布をかぶって
寝ていたことに気づきます。
そういえば昨日の夜飲んで帰ってきて…

空は快晴。
だらだらしてるのはもったいない。

パンをかじりながら部屋を片付けて
午前中のうちにヨガに行ってすっきり、
午後から友達と秋のお祭りに行きます。

まずは生ビールと焼き鳥で乾杯。
外で飲むお酒はなんて美味しいのかしら。

それから、こってりとお醤油で味つけた
肉巻きおにぎりと、
エビとトマトソースのパスタ。
友達は白のスパークリングワインを
飲んでいます。

いい風。

少し肌寒くなってきたから
ワインはやめてジンジャーティー。
クレープとポテチで
なんてことないおしゃべりです。

これから買い物どこに行く?
帽子と、クラッチバッグも見たいね、
それから…

頭の緊張がゆるゆるとほどけていく。
それにしても、私たち一週間よく
戦ったよね。

空に浮かぶのは、アンニュイな形の雲。
秋はいいなあ。



 

 

 

 

 
従姉妹同士のふたりがイギリスを旅して
います。

海が白っぽく横たわるさびれた街に
思いのほか長く滞在してしまったのは
ふたりとも、この世で大事な存在だった
ひとをなくしたばかりだから。

血を分けたふたりならではの気楽さが
ゆるく温かい雰囲気をつくりあげていて
それぞれの悲しみをふわりとくるみます。

主人公のさっちゃんは夫と別れ、
従姉妹のちどりは育ての親の祖父母が
他界し、リハビリのような期間。

こじんまりとしたホテルに連泊して
美味しい朝ごはんを食べたり、
夜は飲みにいき、帰ってきて片っぽが
シャワーを浴びているうちに眠って
しまったり。
ここでの、ふたりの日常。

さっちゃんの元夫というひとのストーリー
が印象深く、色々考えてしまいました。

常に元気で面白くてテンションが高く、
どんなことも一生懸命で、ひとを助けるの
が大好きな人気者。職場での評価も高い。

あのひと、自分のこと嫌いだよね…
ちどりはそう見透かします。
さすが、水商売ならではの千里眼です。

この元夫は背景が真っ暗なんです。
だから強く光ってなくちゃいけない、
ひとりでもギャラリーがいる前では。

そういうひとと長く一緒に暮らすのは
きつい、というさっちゃんの気持ちも
わかる。でもねえ…
なんとなく元夫をかばいたい気持ち。

よしもと作品では、どう豊かに在るか、
というテーマが繰り返し書かれていて
素晴らしいものが多くありますが
この物語はただひたすら私の好みでした。

多分、切り口というか、焦点の当て方
なんだろうな、と想像しました。



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(2013/02/07)
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映画評論家、町山智浩氏が紹介する
ディープな恋愛映画のススメです。

ラインナップを眺めてみると
観たことのある映画は三分の一。
どれも鮮烈な記憶が残るものばかりです。

それぞれの映画にキャプションがついて
いるのが面白いんです。
たとえばアニー・ホールではこんな風。
「ウディ・アレンは自分を愛しすぎて
 愛を失った」

観たことのあるものからまず読みます。
アニーホール、ラストタンゴインパリ、
愛のコリーダ…

どれも深い洞察。
アイズワイドシャットなんて私、
全然理解しないで観てたわ…
こんなに深いテーマだったの?

それから観たことのない映画の頁をめくり
はじめると、うわー、本に目が吸い付く
とはこのこと。もう止まりません。

どれもトラウマレベル。嵐のような
激しいストーリーばかりです。
恋愛って、怖い。

あらすじから背景、著者の解釈までが
濃厚に書かれていてぐいぐい読ませます。

誰かの愛憎。そして執着。
時に生き死にを超えるまでの壮絶な。

本をぱたんと閉じると、窓の外は
行き交うひとの波、テーブルには冷めて
しまったお茶。さっきと変わらない日常。

右の手のひらを開いて眺めてみる。
よかった。私は無事だ…



トラウマ恋愛映画入門トラウマ恋愛映画入門
(2013/09/05)
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七月と八月の真ん中を半分に折って
できた三角形の傾斜。

六月と九月、どっちも好きなのは
季節が移動していくのが
肌でわかるからかもしれません。

晴れた空の下、秋のお祭りに出かけます。
細長く続く公園には、区画ごとに
いろんな飲食店が日替わりで出店していて
賑やか。

フレンチのお店の行列に並んでいたら、
呼び込みしているスタッフに見覚えが。
古い友達と偶然の再会です。

ホットワインをごちそうになりました。
パンプキンとチョコレートの温かい
クレープが美味しい。

次の区画に移動して
蛤のお店で焼き蛤と海老の唐揚げを、
それから日本酒バーで生酒をオーダー。

フルーティな日本酒もいいよね、
ワイングラスを傾けながら話しあいます。

友達が電話をしている間、
ぼんやり空を眺めていました。

夕暮れが降りてくる。
時折吹く風に、酔いがとけていく感じが
心地いい。

最後はかにみそラーメンでしめました。

たっぷり遊んだ気持ち。
でもまだ六時すぎ。

昼酒って好きなんですよね。



 

 

 

 

 
久しぶりにホテルでランチをしました。

いつも横目で通り過ぎていたから、
こんな雰囲気かな、と想像していましたが
いざ通されて席についてみると
空間の大きさ、照明の明るさ、
ウェイターの程よく抑制された微笑み、
それからお料理の上品さ。

ラグジュアリーな空間、という、
どこかで聞いた言葉が頭に浮かびました。
思ったよりずっと居心地がいい。

きちんとしたおもてなしを受けると、
過不足なく満たされるのですね。

そのときの自分の空洞のかたちに
ぴったり沿うものをみつける作業は、
少しずつ上達していくものなのかな
と最近思います。

以前は計測がアバウトだったので、
とにかく効きが強いものを投入しがち
でした。
飲酒だったり、激しく運動したり
突飛な行動をとったり…

それは、お腹いっぱいにならなかったら
嫌だから大盛り頼んどく、に似ていて。
でも摂取しすぎは必ずリバウンドが
あるんですよね。何事も。

さっと右手で山を崩す。

黒いテーブルの上に、淡いものから濃い
ものまで、ずらりと揃ったカードが
目の前に並ぶ。

じっと見据えて、ぴったりくる色を一枚
そっと人差し指で引き寄せる。

本当は、ワイルドカードが一枚あると
いいのだけど。

それは蛍みたいに、ぼんやりと虹色に
光りながら
どこかに存在しているはずなのです。



 

 

 

 

 
小夜子のおなかに刺さった鉄の棒。

彼女は、京都にアトリエを持つ芸術家の
彼とドライブの途中、事故に遭いました。
鉄の棒は、彼の作品用として車に積まれて
いたものでした。

彼を亡くし、ひとり生き残った彼女は
心と体に空洞を抱えたまま
ゆっくりと一歩ずつ、明るい方を目指す
ように生きていきます。

臨死体験から、小夜子はこの世ではない
ものが見えるようになります。
そして不思議なことに、自分に別の人間の
要素が入った感覚があるのです。

日々の中で、彼女は新しい出会いを
淡く育んでいきます。
一日の終りに飲みにいくひっそりとした
バー。その店主との交流。
取り壊し寸前のアパートで出会った青年。
その母親、優しい面差しの幽霊…

小夜子が、新しい環境からじわじわと
栄養をもらうところがリアルだなあ、と
思いながら読んでいました。
ごく細いストローで、少しずつ蜜を吸う
みたいに。

一気に栄養を入れる体力も気力もまだ
ないから。
それは野生動物の傷の治し方に似ている
ように思いました。

身体は、彼女の心よりもっと強靭に、
生きることを切望し、歓んでいる。
そこに心がぐっと引っ張られて
徐々に動かされていく感じ。
真っ白な光のほうへ。

まず、生きることなんだな。
それは前提じゃなくて、
生きること自体に満ちる価値がある。

そのことを久しぶりに思い出したんです。



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よしもと ばなな

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染色家の知子は、売れない小説家の慎吾と
月の半分を共に暮らしている。
彼はきっちり、三日毎に妻子の家と
彼女の家を行き来する。

あるとき知子の家に男が訪ねてくる。
それは10年以上前、彼女が結婚していた頃
嵐のような恋に落ち、共に出奔した相手
凉太だった…

知子は穏やかな慎吾との生活の合間に、
凉太と激しい逢瀬を重ねるように
なります。
銭湯へ行くふりをして暗い路地を駆けて。

元々設定に無理がある中に、さらに
不自然なものを投入して、ミキサーで
がんがん攪拌したらこんなふうになる
だろうね…と遠巻きに眺めていました。

三本の糸はもつれにもつれて、
流さなくていいはずの涙が流れる。
無数の切り傷が紅く模様をつくる。

好きだけど身動きがとれないのです、
と登場人物それぞれが訴えているようで
うーん、別れるしかないね!全員!
と判決を出したくなります。

絞ったらぽたぽた水分が滴りそうなほど
湿度を含んだ日本的な情、というものが
読み手の肌にぴったりと張り付くように
丁寧に描かれています。
高密度で。

全てを投げ出してしまえる女はこわいね。



夏の終り (新潮文庫)夏の終り (新潮文庫)
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夏のような暑さが戻った夕方、
半袖とデニムでぶらぶら公園を歩いて
いたら、視界に差し込むきれいな赤。

椛が、紅葉してる…

ちょっとちょっと、それはまだ早いです!
と、木の下で写真を撮りながら楓を説得
していました。

おなかがすいたので讃岐うどんのお店へ。
いつもは冷たい生醤油なのに、今日は
あったかいきつねうどんをたのみます。

透明なおだしが、優しい…

植物たちがふっと生の勢いを止め、
気配が一段薄くなる。
手を伸ばしても決して届かない高い空。
人の気持ちにも隙間ができる。

映画を観てヨガに行って友達と行くランチ
のお店を調べてショップでスエードの靴を
みて本屋で新刊をチェックして誘われれば
飲みにもいって…
もちろん楽しいことばかり。

ただ、時々思うのです。

この隙間を埋めるための膨大な作業を
しなくていいのなら
何かが全然違ってくるんじゃないかな
って。



 
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スタバにはたいていひとりで行くので
できれば一人のお客さんの側に座りたい。

何故なら、席によっては女の子たちの
秘密のおしゃべりが聞こえてしまうから。

途中でさっとイヤホンを装着するのですが
よく聞くパターンがひとつ。

女の子たちはそれほど好きでもない男の子
とつきあっていて、その男の子は浮気を
している。

シュールだなって思います。

それほど好きじゃないひととつきあうのも
そんなに好きじゃないはずなのに浮気を
されたら怒るのも許してあげるのも。
別れないの?
そもそも、それほど好きじゃないという
発言自体が見栄なのかな。

友達に聞いてみると、
ああ、学生のときとかすごく若い頃って
彼氏がいるっていう事実が大事だったかも

そうだったっけ?

…そうだった。私もだ。

なにが本当に大事なのかも全然分からず
傷つけたり傷を負ったりを繰り返して
それは虚しいことだって、真っ暗な
洞穴みたいな心で知ったんだった。

本当に好きな人への想いが叶わず
身体中の水分が全部なくなるまで泣いて
あきらめるほうが全然いい。

あの頃の私も、ただのシュールな女
だったんだなぁ…



 

 

 

 

 
大きな屋敷の一室で目覚めた僕は
自分がグレゴール・ザムザになっている
ことに気づいた。

指先の動かし方がわからない、
階段の降り方がわからない。
気がかりは、窓の外に凶暴な鳥たちが
いないかということ。

裸のまま、がらんとした食堂に用意された
朝食を手づかみで食べ尽くし、
着方もわからないまま、紺色のガウンを
羽織る。苦労して腰にまわした紐を結ぶ。

屋敷に人が訪れる。
錠前の修理に来た、背中の曲がった若い女。

窓に板が打ち付けられた二階の部屋で
修理を始めた彼女の、ある奇妙な身体の
動きをみているうちに
彼は説明のつかない高揚感に包まれる…

ザムザが以前、何の生き物だったのか
なぜそうなったのか、説明はありません。
ここはプラハで、外では戦車や銃を持った
兵隊でごったがえしているということだけ。

また会いたい。彼女に。

彼は彼女に強く強く惹かれます。
それが、恋という感情だとも知らずに。

恋は身体の…もっと深い、もしかすると
DNAレベルの反応なのかもしれない、と
思わせられます。
センサーがキャッチして、さあっと心を
晴れた空の青に染め抜く。

また会えないかな。

…大丈夫、安心して恋に落ちていい。
凶暴な鳥は、もうあなたを襲わないから。



恋しくて - TEN SELECTED LOVE STORIES恋しくて - TEN SELECTED LOVE STORIES
(2013/09/07)
村上 春樹

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ライフスタイル本をたまに手に取ります。

はあ~、すてき、
シンプルな北欧家具をセンスよく置いて
カトラリーにもこだわって。
こんな暮らししてみたい。

美しい写真のページををめくりながら
ふと思いました。

もし私だったら、自宅や生活全般を
世間に公表するのには抵抗を感じる。
だってそれは内臓だから。

こういった人々はその辺りはどうなのかな

個人的に納得できる仮説はふたつ。

その一。そのライフスタイル自体が
かなりの割合でフィクションである。

その二。公開してしまった内臓のかわりに
新たな内臓を作り出している。

ひとは誰にも見せない内側がないと
生きていけない気がする。
それはあらゆるものをろ過する調整器官で
あるように思う。

彼らの新たな内臓は、どんな形をして
いるのだろう。

それは混沌とした部屋で、不自然に
歪んでいたり、逆に誰にも穢されない
真っ白な領域があったりする。
もしかすると、わずかなひとだけ
入れてもらえるかもしれない。
けれど絶対秘密の。

その部屋でわんわん泣いたりするのかな

シックなトーンで整えられた部屋の
ソファーで、そのひとはゆったり微笑む。

内臓なんてどこにもありませんけれど、
という顔をして。



 

 

 

 

 
涙売りは、瓶に一滴ずつ涙を採取する。
それは楽器に擦り込まれ、天上の音楽を
奏でる。

彼女の涙は多くの音楽家たちに重宝され
求められるままクライアントの元へ
出向き、提供する日々が続きます。

その日々が一変したのは、彼女が恋を
したからでした。
身体の部位だけで音楽を奏でる楽団の
ひとり、身体中の関節を使って慎ましやか
な音を鳴らす男に。

その楽団につきそい、彼のために涙を
提供する彼女は…

玉ねぎの刺激で出た涙は粗悪で、
身体の痛みから出た涙は上質。
彼に一番純度の高い涙を捧げたい。

彼女の手が、彼の関節という関節に
淡々と涙を擦りこむ描写は
ひどく官能的です。

誰かに尽くすという行為は、一定の
ラインを超えると、自分の輪郭を
失っていくものなのかもしれない。

淡く曖昧になった輪郭が、
相手の輪郭に重なってとけていく。

自分を手放して、そのひとの一部に
なれるという幸福。



夜明けの縁をさ迷う人々 (角川文庫)夜明けの縁をさ迷う人々 (角川文庫)
(2010/06/25)
小川 洋子

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カツイカの件で、見積を60万で出したん
ですけど…

職場で同僚が電話しているのを聞きながら
朝獲りのぴちぴちした活イカがぎっしり
入ったケースを思い浮かべる。

(職場で鮮魚の取り扱いはありません)

カツイカってなに?
あの生きのいい…
やっぱり?ずいぶんいい値段するね
いやぁ量がまとまってますからね

ここまで話して、課追加です。と
彼は答える。

また別の日。

御中…見積を作りながら同僚がつぶやくと
隣からウォンチュー?と聞き返す。

こういう言葉遊び、頭が疲れた残業中には
壊れたみたいな笑いがおきる。

笑いって酸素なのかな、と思う。

頭の中が酸欠なときは
本当は寝るしかないんだけど、
いきおいで飲みに行ったりしてしまう。
躁状態であることないことしゃべって
大笑いしながら、頭の隅ではカラカラと
乾いた音が鳴る。

ぜんぜん処方じゃないことで
どれだけの夜を逃げ切ってきたのだろう。



 

 

 

 

 
iPadを持とうかどうしようか...という
もう何度目かになるぐるぐる巡りに
今夜もつかまっています。

ネットで記事を読むにもブログを書く
にも、iPhoneでは画面が小さい。
電子書籍もiPadなら読みやすいし。

それならiPhoneでテザリングできるように
したい、だといまの機種だとできない…
いっそMacの薄いのがほしいかも…

だいたいここで思考が止まります。
IT革命はいつも億劫。

夜のスタバの窓には夜のお客たちが
映りこむ。

スタバには朝も昼も夜も来ますが
(ほとんど家のドアと繋がってる感覚)
夜は時間がゆったりと流れています。
だからソファーに座りたくなる。

さっき同僚がスタバに勤めていたことが
あるといっていました。
グランデが一番大きいよね、と尋ねると
その上にベンディがあります。590ml。

…それ、中ジョッキくらいの大きさでは。

ちなみにベンディでフラペチーノを
オーダーすると1000kcalを超えるそう
です。罪深いですね。

A Song For Youが流れてる。
叙情的な曲は、こういう辛い声がいい。
プラスマイナスで若干マイナスの
心地よさ。その差分。

おなかすいちゃった。そろそろ行きます。



 
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自分を転々とする、という言葉が浮かんで
それは旅よりもっと向こうの、さすらう…
ああ、これがそれなのかと腑に落ちる。

この物語の主人公は別の誰かになって
しまうのです。
自分の名前、美容師という職業、写真家の
恋人、東京という街をためらいなく
置きざりにして。

過疎化が進む、雪深い地方の町で
ゆきずりで知り合った女から盗んだ保険証
の名を名乗り、うらぶれた美容室の二階の
部屋を間借りし、連れ込み旅館の受付
として働きはじめる。
気まぐれに絵画教室のヌードモデルを
引き受ける。

誰とも懇意にならず、印象を消し込み、
その場しのぎでいくつもの嘘をつく。
平気で約束を反故にする。
いられなくなったら、糸をぱちんと切る
ように町を移動する。

旅が匿名の自由を持つのは、日常に実名と
いう世界があることが前提だけれど
匿名そのものが人生になってしまったら
そこには自由があるのでしょうか。

逃げ続けることでかろうじて心の平穏を
得ている主人公にとっては、自由なんて
言葉はとっくに忘れ去ったものかも
しれませんが。

消えたい、足跡を残したくない。
それだけが願いとして曇天の空に高く
こだまする。

さらにいくつもの土地を転々とした彼女は
ヌードモデルをしたときに描かれた絵を
見るために、はじめに滞在した町を
ひっそりと訪れます。

絵を目の前にして、彼女の胸に起こった
感情。それがこの物語を染め上げている
色彩だ…と感じたのです。

読み終わったとき、彼女の目線の高さで
ぴったりとその旅に寄り添っていたのに、
急に途中下車させられたような心持ちに
なりました。

彼女が乗る列車は行ってしまった。
吹雪の向こう、終わらない旅の先へ。



夜の隅のアトリエ夜の隅のアトリエ
(2012/12/14)
木村 紅美

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芥川賞を受賞した藤野可織が、堀江敏幸と
対談しています。

受賞作である爪と目は、不思議な手触りの
する小説で、独特な二人称で語られる
その文章から立ち上ってくる何か…例えば
匂いのない煙、藍色と灰色がランダムに
混ざった膜のような気配を感じたのですが
その正体はよくわからなかったんです。

それを堀江敏幸が分析していて、
ひとつの曲の中で速度の違う複数の
トラックが流れている。音声が二重で
聞こえてくる感覚…と表現します。
ああ、なるほど、と思いました。
クリアじゃない。

それは藤野可織の意図したところでも
あったようです。

最初からクリアなら手を突っ込む必要は
なくて、よくわからないから覗き込んだり
掴んで手触りを確かめようとする。
クリアじゃないものの魅力はそこだな
と考えていました。

興味深いやりとりをもうひとつ。

藤野作品はホラーと評されることが
多いらしいのですが、本人は怖いものを
書いているつもりはないとのこと。

それに対して堀江敏幸はいいます。
そのものが怖いんじゃなくて、怖いと
感じてしまうこちらのアンテナの歪みが
怖い。

その複雑に歪んだアンテナの先端を
あと一センチ左にねじったら
何が見えるようになるのか。



文学界 2013年 09月号 [雑誌]文学界 2013年 09月号 [雑誌]
(2013/08/07)
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