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ネットニュースを読みながら、イルカと
クジラは食べちゃダメだけど豚や鶏は
いいというのはよくわからないな、
と考えていました。
絶滅危惧種などの保護の観点ではなく、
種の優劣についてです。

動物の知能が高いか低いかで優劣が
決まるのも変だし、そもそもどうして
種の一つであるヒトがそれを決めるのかな
と。

なんていうか、並列だと思うんですよね。

例えば地球上にヒトより知能が高い生物が
現れたらどうなるか、と想像してみます。

ヒトは工場で量産される。
成長促進剤を使われて1年で16歳くらい
になり、次々と市場に出荷される。
ほぼ食用だけれど、運がよければペットに
なれる。
でも飼い主が真っ当とは限らない。

ある日、ヒトは知能が高いから保護しよう
という声が上がる。それは徐々に
世論となっていく。
そのとき出荷待ちだったヒトはどう思う
だろうか。

捕食者の気まぐれにすぎない。
自分は自分の運命を受け入れるだけだ…

運命をほかの種に預けたとき初めて、
これまで見えなかったことが見えてくる
かもしれないな、と思うのです。

今夜も多くの命をいただいていることに
感謝して。


 
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ネットの記事をあちこち見ていたら
Marginal Soldierというブログに
偶然行き当たりました。

記事は「日本で進学を考える帰国子女の
皆さんへ」というものです。

海外での常識や立ち居振る舞いのまま
日本で暮らすと大変なことになりますよ
という指南書なのですが、これが
ショックというか、やっぱりねというか
日本社会の中で空気の圧みたいに
感じていたものが、くっきりと辛辣に
言語化されていたのです。

例えば、日本人は英語にコンプレックスが
あるとか、表向きは男女平等だけれど、
実際は男尊女卑が濃厚に残っているとか
本音をいってはいけないとか。

私は社会人になってから、幾度かの失敗の
後、自分の立ち位置をチェックして
その都度カメレオンみたいに色を変える
ようになりました。
このすり抜けていくようなやり方は
摩擦が少なくて一番ストレスがないから。
けれど、よくよく考えてみると
なんだか不自然だし気味が悪いな…と
気づかされてしまいました。

日本に住む人々は和という得体のしれない
生温かいものに知らずのうちに頼って
微妙なバランスを保ちつつ生きている
のかもしれません。
建前の中に滲む本音を上手に掬いとったり
しながら。

日本はぼんやりとした膜で覆われていて
膜の中にいればいろんなことが概ね
大丈夫なんだけれど、膜の外には眉を
ひそめて見ているひとも多くいて
そのことに気づきながらもふっと目を
そらす、なかったことにする…

こんなふうに、内側からみていた世界を
いきなり外側からみると、どきりとする。

根本正午さんという書き手からは
魔力のようなものをもくもくと感じ
ちょっとこわいくらいでしたよ。


 

 

 

 

 
フリーランスの校閲者として日々を
淡々と過ごす冬子が、物理学の高校教師と
不器用に恋に落ちていく、ひそやかな
時間の経過が描かれています。

冬子は人と接することや、気持ちを言葉に
変換するのが苦手な引きこもりがちな
タイプで、普通の恋愛を経験しないまま
大人になってしまいます。

そんな女性がどんなふうに、誰かに恋を
していくのかを、一緒に体感するかの
ように読んでいました。

冬子はカルチャースクールに行くために
出かける前にたくさんビールをのんで、
ステンレスボトルに日本酒をつめて
トートバックに忍ばせる。
彼女は受付までの間に緊張しすぎて
具合が悪くなり、結局講座を受けることは
できないのだけれど、そこで三束さんに
出会う。

冬子は体内に恋という器を持たない。
だから三束さんとの間に何が起こって
いるのかがわからない。
自分の感情の中に嵐のようなものが
生まれるのを確認する。
それが日々大きくなっていくのを
おっかなびっくり抱えながら過ごす…

冬子との対比のように、聖という美人の
仕事仲間が登場します。
恋愛を用途別にこなし、世間の流れに抗い
自分の道は自分で切り開くのが信条である
彼女は一見キラキラしているけれど
なんだか哀しく思えて仕方がなかった
のです。

それは、不器用でなにひとつ言葉を自在に
操ることができない冬子の胸の奥に広がる
果てしない銀河のような情景を
ずっと感じていたからかもしれません。

私は彼女をずっと見ていたかったのです。
生まれたてのつやつやと光る若葉や
夜空から静かに舞い降りる雪の結晶、
そういうものとすごく似ていたから。

こんなに透明できれいなものをみたのは
久しぶりのことだったから。


すべて真夜中の恋人たちすべて真夜中の恋人たち
(2011/10/13)
川上 未映子

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本日は、第150回芥川賞の発表日です。

Twitterでチェックをしていると、
どんぶらこ、どんぶらこと賞の発表の
ツイートが流れてきます。
芥川賞の受賞は…小山田浩子「穴」!

大きく祝杯をあげました。関係者でも
何でもないけれど、小さなひとりの
ファンとして。

小山田浩子さんの文章は華やかさはあまり
なくて、地味なくらいなんだけれど
このひとにしか連れていけない世界が
あるなあと思うんですよね。
そして、その世界は不思議なことに
無色なんですよね。

作中に出てくる奇妙な黒い動物、
あれを私子どもの頃に見たことがある
ような気がするんです。

けっこう大きくて、あんまり警戒心なくて
ふらーっと歩いているあの感じ。

犬じゃないしキツネでもないし、
なんか見たことない色と形だして
立ち止まって凝視した記憶が…

もし、わけのわからない動物に道端で
会ったことがある方は
この物語を読んでみてほしいなと
思います。

そしてあいつの正体を私に教えてほしい
のです。


穴
(2014/01/31)
小山田 浩子

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ようやっと熱が下がってきたので
絹ごしどうふとほうれん草でスムージーを
作ったりシーツを洗濯したりしています。

熱があるときは短い文章しか読めないので
読書はあまりすすみませんね。
でも、面白いブログをいくつもみつけ
ましたよ。折をみてご紹介しますね。

さてさて皆様にご案内です。

10月に発刊した「箱のなか」の電子版を
つくりました。
こちらは簡易版で、しっとり猫さんマンガ
「ふたり暮らし」は紙版特典となります。

今回は深縹色をテーマにしております。
楽しんでいただけると幸いです。

また、箱のなか専用、TwitterのIDが
あります。「すずちま」で検索して
いただくと見つかると思います。

マンガとご飯エッセイ担当のちま子さんと
涼虫が日々のことなど呟いておりますので
ぜひこちらもフォローくださいませ。

最近のとても嬉しかったことをひとつ、
シェアさせていただけますか。

以前ここでご紹介した、末井昭さんの
エッセイ本「自殺」の拡販用チラシに
涼虫の感想コメントが掲載されることに
なりそうです。
ほんの一、二行程度なんですけどね。

自分のものすごく好きな本でこういった
ことがあると、針が振り切れそうなほど
テンションがあがってしまいます。

これでまた熱が出たのかもしれません…



 
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第150回の芥川賞、直木賞の候補者を
やっと確認しました。
選考会は1月16日ですって。
わくわく。

候補作の中で、読んだことがあるのは
小山田浩子さんの「穴」だけなのですが、
すごく面白かったのと、以前ここで紹介
したこともあり、おおーっと興奮して
おります。

岩城けいさんの「さようなら、オレンジ」
はTwitterでかなり話題になっていたので
気になるところです。

そして、いとうせいこうさんの小説はまだ
読んだことがないのですよねえ…

と、芥川賞の候補作品ばかりに注目して
おりますが、わりと好きになる作家が
直木賞よりも芥川賞をとったひとが多い
ので、多分好みなんです。

直木賞が広大な大地のイメージだとすると
芥川賞は深海のイメージです。

川上弘美さんの「蛇を踏む」を読んだとき
の衝撃を今でも覚えています。

それまでは流行作家(主に恋愛もの)を
のほほんと読み、うっとり自分と
重ね合わせたりしていたのですが
そこから読書の趣向ががらっと変わり
ました。

もっと知らない世界のものが読みたい。
変なものや不思議なものに触れたい。

しばらく前に読んだ、中村文則さんと
ピース又吉さんの対談で、こんな会話が
ありました。
「大量に本を読むと、自分の中に
 変な海みたいなものがができるよね」
そのときは、ふうん、そんなものかな…
と思いました。

最近、ちゃぽん、と波の音を聴いた気が
するんですよね。
それはまだ、水たまりみたいに小さな
海かもしれないけれど。


 
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最近、身近に大失恋をした女の子がいて
彼女の話を聞きながら、缶のプルトップの
ことを考えていました。

私はスカルプ(つけ爪)をしているので
普通の爪より長く、そして厚みがあり
細かい作業に不自由することがあります。

ある時期、つきあっていたひとにいつも
缶ビールを開けてもらっていました。
当たり前のようにハイ、と差し出して。
色々あってそのひとと別れ、久しぶりに
自分で缶のプルトップを苦労して開けた時
もう二度と、誰かに開けてもらうのは
やめよう
と誓ったことを思い出していたのです。

そう決めたのは、そのひとを思い出すのが
辛いからという感傷ではなく、
依存のルールに気づいたから。

あとで彼に優しくしてもらうから、今は
無理してでも気を張ってがんばろうとか
自分でできなくもないことを、彼が来たら
やってもらおうとか、そういう一点集中の
依存は、当人が突然いなくなった時、
世界のすべてが崩れるような喪失感に
襲われる。
私は全然ヘッジができていなかったんだ…
と痛みを持ってわかったんですよね。

最近の私は、甘えたい欲求が100あると
したら、それをだーっとみじん切りにして
全部を1にして、男女問わず色んなひとに
ちょっとずつ甘えて100を満たすという
やり方を採用しています。

このやり方、それなりに広くコミュニケー
ションする必要があるので、ある程度の
社交力がついてくる、というおまけも。

なにより1くらいだと、相手はほとんど
私の甘えに気づきません。ふふふ。

実は、今この記事を読んで下さっている方
にも涼虫は0.1くらい甘えております…
お気づきになられた勘のいい方、
どうぞご容赦を。


 
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たまの長い休みに家族と暮らし、朝夕と
食卓をかこみ、食後にぼーっとテレビを
みながら濃いお茶をすすったりしていると
ああこの中間の感じ、と思う。

私の日常には中間がない。
内臓から薄皮一枚隔てたらすぐ、外側の
世界になる。

内蔵は私だけの世界なので、完璧に居心地
がいいし、
出かけるのが大好きなので、外側はいつも
ワクワクして楽しい。

ただ、二択なのだ、と思う。

今、その中間にある、ぬるくて心地よい
リンパ液にぼやーっと浸かっていて
なんて楽で幸せなことなのだろう、
ほとんど奇跡のようではないかと感じる。

ただ、このリンパ液はいつも浸かって
いるとわからなくなってしまう。
床暖房切ってないとか、お風呂場のドア
開けっ放しだとか、夜中のテレビの音が
うるさいとか、そんな雑多なことに
紛れて。

そんなこと、どうでもいいではないか。

でも、どうでもよくないのが日常だ。

私は明日、いつもの慣れ親しんだ二択の
世界に戻る。
きっとクリアな気持ちで、背筋もぴんと
伸ばして、大人の女みたいな顔になって。

リンパ液のことは一度忘れるだろう。

でもまたこんなふうに思い出せるなら
それもいいな、というか、すごくいいな、
と思う。


 

 

 

 

 
新潮に掲載された、
見開き一頁の短いエッセイです。

彼女はひどく治安の悪い街で少女時代を
過ごし、いつもどこかで警戒していなく
てはならなかった。
大人の悪意を飛び越えた訳のわからなさを
ぴりぴりと肌で感じ、大人は野放しだ、
ホラーだと思う世界にいた。

いつも使うバス停を麻薬の受け渡し現場
だと報道するテレビ。
密輸で捕まった向かいの酒屋の静かな
おじさん。
異常な盛り上がりで流血した大人だらけの
毎年死者が出る夏祭り。

淑やかに生きていける街ちゃうやんけ!
少女は心の中で叫ぶ。

でもその街から出てみると、
外の世界も別の形でこわかった。

恐ろしい名を持つ竹林に囲まれた坂。
電信柱の後ろに立つ黒ずくめの男。

それなのに世の中の男(時には女)たちは
女の子はスカートをはいたほうがいい、
ヒールを履いたほうがいいという…

世の中の理不尽な悪意、そして無責任な
発言についての怒りがサスペンスのよう
に書かれていて、ぐっと引き込まれます。

天敵を前にした野生動物のようだな、
と思いながら読んでいました。
プリミティブに敵を憎み、逃げると
いう本能。

人間には余計なものがくっつきすぎて
いるから、どうしたって鈍くなる。

生き抜くこと、というDNAに刻まれた
メッセージがチカチカと点滅している。
そうだった、と思い出す。


新潮 2013年 07月号 [雑誌]新潮 2013年 07月号 [雑誌]
(2013/06/07)
不明

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新年あけましておめでとうございます。
みなさまよいお正月をお迎えでしょうか。

元旦の午前中、初詣にいってきました。

いつも、お祈りの言葉は神様を目の前にし
手を合わせたときに浮かんだものを
唱えることにしているのですが
今年は、自分と家族の健康…あとはええと
…と何も出てこず。

毎年毎年、強烈に叶えたいことがあり
神様に前のめりでお祈りするのが
スタンダードだったので、
なんかおかしいな私、と思いました。

中庸、と頭の中に浮かびます。
その二文字はやわらかな光を浴びて。

叶えたい祈りは、一年経つと変わる。
そっちが私のスタンダードなんだな…
とようやく気づき、なんともぽかんとした
気持ちになりました。

思い込みはエネルギーになるけれど
自分に強固な枠をつくってしまう。
枠の中でぐっと肩に力を入れてがんばり
すぎると燃え尽きるのが早い。
(多分酸素が薄いんだね)

やりたいことを息を止めて寄り目で、
じゃなくて
リラックスしつつ集中して行いたいな。
そしてやりたいことはどんどん変わっても
まあいいか…
(自分の移り気は性質と諦める)
と思う新年です。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。


 

 

 

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涼虫(すずむし)

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