人里離れた静かな渓谷で、幼児殺害事件が
起こります。
容疑者として浮かんだのは実の母親、
立花。マスコミや世間の目が彼女の住む
市営住宅に注がれます。
事件に関与しているとされる、立花の隣家
に住む尾崎。週刊誌記者の渡辺が身辺を
探ると、実は尾崎とその妻、かなこの間に
ある忌まわしい過去があることがわかり…
複雑な立場のふたりが一緒にいることは
粉々になったガラスの破片を一枚ずつ
拾いあつめるような作業で
読み手のこちらまで様々な気持ちが
わき起こってきます。
前提からするとありえない流れだけれど
集めたガラスを遠くから眺めると、
愛に似たものに思えてくる。
通常愛と呼ばれるものとは成分が全然
違うけれど。
幸せになろうって思って一緒にいる
わけじゃないから。
一緒に不幸になろうって約束したから。
妻と夫が別のところで呟く言葉。
成分なんて問題ではないのかもしれない。
生きるという光が幸せになる、だけじゃ
なくてもいい。
二人のために何かを祈りたいけれど
拒絶されるかもしれない、と思うのです。
あなたになにがわかるの、って。
起こります。
容疑者として浮かんだのは実の母親、
立花。マスコミや世間の目が彼女の住む
市営住宅に注がれます。
事件に関与しているとされる、立花の隣家
に住む尾崎。週刊誌記者の渡辺が身辺を
探ると、実は尾崎とその妻、かなこの間に
ある忌まわしい過去があることがわかり…
複雑な立場のふたりが一緒にいることは
粉々になったガラスの破片を一枚ずつ
拾いあつめるような作業で
読み手のこちらまで様々な気持ちが
わき起こってきます。
前提からするとありえない流れだけれど
集めたガラスを遠くから眺めると、
愛に似たものに思えてくる。
通常愛と呼ばれるものとは成分が全然
違うけれど。
幸せになろうって思って一緒にいる
わけじゃないから。
一緒に不幸になろうって約束したから。
妻と夫が別のところで呟く言葉。
成分なんて問題ではないのかもしれない。
生きるという光が幸せになる、だけじゃ
なくてもいい。
二人のために何かを祈りたいけれど
拒絶されるかもしれない、と思うのです。
あなたになにがわかるの、って。
さよなら渓谷 (新潮文庫) (2010/11) 吉田 修一 商品詳細を見る |
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